上記総会は予定通り平成18年12月4日、師走の多忙な時期にも関わらず、多数の会員参加者をえて、盛大に開催された。
先ず、診療所側より、15年間にわたり、「顔の見える連携」の発展に多大のご協力とご理解を賜った済生会神奈川県病院の医師、看護師、事務、電話受付はじめ従業員の方々に感謝の言葉が述べられた。
今回を期して、済生会神奈川県病院の主な機能及び多くの従業員は、新設された地域中核病院済生会東部病院に移ることになったが、会員からは地域医療の立場から、東部病院、神奈川県病院共々機能分化を明確にして、更なる連携の発展が期待された。
演題は泌尿器科部長の「泌尿器科の病診連携」の講演があり、前立腺疾患を中心に前立腺肥大と前立腺癌のガイドラインの解説と、病診連携で、紹介、逆紹介、疾患管理の要点について解説された。続いて、第30回を記念して、「病診連携Wの会:その軌跡を振り返って」と題して世話人の中村代表より、Wの会の生い立ち、開業医と病院医師が現在のように「顔のみえる連携」を築くまでに遭遇した問題点とその事例を中心に、赤裸々な討論の内容まで披露され、さらに今後の展望についてもふれられた。
その過程で培われたシンクタンクの原点を再認識して、東部病院と神奈川県病院の機能分化と地域医療の意義を会員一同で確認しあい、今後の会の発展を期する事になった。今や、一病院での連携完結は不可能で、特に地域医療の立場から地域に共存する貴重な医療資源を患者のためのより良い医療のために協調して活用する必要が述べられた。そのためにもお互いに信頼できる顔の見える連携の大切さが強調され、今後の発展に大きな希望が持たれた。ついで、病院側の山室代表より新設東部病院の詳細な内容について発表があり、3月よりの開院とその後の詳細なスケジュールについてもふれ、また神奈川県病院の今後の機能についても説明があった。開業医からは、両病院について忌憚のない意見、質問、希望が述べられ、新たな連携のあり方と地域医療に対する期待がなされた。今後の病診連携の発展のための建設的な検討の場の一つとして、この会が大切な役割を果たす事が望まれた。続いて、恒例の懇親会が開かれ、日頃多忙に任せて会う機会の少ない医師同士が多くの研修医を交えて、時の経つのも忘れて語り合い、貴重な一夜を費やすことが出来た。この場を借りて出席の会員の方々に御礼を申し上げる。
世話人一同
「第30回 病診連携Wの会」報告
(2007.3.6更新)