「第32回 病診連携Wの会」報告

(2010.3.8更新)

医療崩壊の進展とともに、各地の連携病院の姿は大きく変貌し、開業医と病院医師との緊密な信頼関係のもとで成立していた各地の病診連携の有り方は深刻な影響を受けている。「Wの会」の連携の中心であった済生会神奈川県病院も、平成19年に新設された済生会横浜市東部病院に急性期機能と連携医師の大部分が移動したために、その連携の機能の一部を休止せざるをえなかった。世話人会は「Wの会」の今後のあり方について2年間にわたり、試行錯誤と真剣な討議を重ねて、ここに第32回の総会を盛会裏に開催出来たことは、大きな慶びである。
その間、ネットワークガバナンスのもとに、より良き地域医療のためという基本理念を大切に、多くのWの会の会員は東部病院のみならず横浜労災病院とも各種疾患別連携、連携パスを通して、活発に「顔の見える連携」を実践、発展し活躍してきたことを報告するとともに「病診連携Wの会」の果たしてきた意義を再確認した。
すなわち地域のシンクタンクとして;

  1. 患者中心に病院と診療所双方が「ダブルドクター」として一致協力する
  2. 良質な地域完結型医療を提供する
  3. 病院と診療所は共同体としてお互いに努力する。
  4. 良質な病診連携システムを地域に広く定着するように努力する。
併し、平成19年以来の分割された神奈川県病院は、ベッド数、医師をはじめマンパワーも全く不足して地域医療の中心としての機能は乏しい現状であるが、今回の総会には、勤務医師のみならずパラメヂカルと関係者の多数の参加をえて、外来、検査、リハビリ、外来と入院機能が紹介され、地域の診療所と連携可能な内容も検討し開示された。
この機会に地域診療所と済生会神奈川県病院の間で生まれた「病診連携Wの会」20年前の原点にもどり、相互理解と協力の可能な内容を確認しつつ、今後の発展に必要な事項を再確認することが出来た。
厳しい医療環境の中、会員一同の更なる理解と協力と努力のもとに、総会を開く事が出来たことは世話人一同、感謝の意を表したい。 世話人一同


上に戻る