病診連携Wの会は神奈川区および周辺の開業医と済生会神奈川県病院を中心に結成され、平成4年に第一回総会が開催された。
当時は、よりよい患者のための医療を求めても、開業医にとって、理解のある診療体制を備えた病院も少なく、如何に顔の見える、相互信頼のある医療が構築できるかを模索した時代であった。
やがて、機会を得て、勤務医と開業医が一緒になって、お互いに顔の見える、患者のための病診連携の第一歩として、平成4年に第一回の総会を開催することが出来、以来20年の月日がたち、第35回総会を盛大に開催することが出来たことは、ご協力とご理解を頂いた会員の方々に厚く感謝する。
会の運営とその後の経過は、顔の見える、患者のためになる病診連携ということを旗印に、順調に、数々の提言を発しながら、全国的にも注目されてきた。
併し、転機は平成19年、済生会神奈川県病院の400床ベッドは、回復期リハ病床にのみに縮小、これ迄一緒に立ち上げてきた顔の見える先生方の多くは、済生会横浜市東部病院(鶴見区)の高度医療設備を有した地域中核病院にうつり、神奈川区からは中核病院は名実共になくなった。
本来ならば、ここでWの会の役割は終わり、各自診療所がそれぞれの診療思想ですすむべきかというジレンマに陥ったが、若手の中心になる先生方は、懸命に如何に県病院と連携医療を続けるかを平成19年以降も模索してきた。
緊急時の対応は、医師も、ベッドも乏しい状態では不可能のため、各自が、箇々の企業努力で近隣の病院にまで手を伸ばして連携をすすめた。済生会病院側も、東部病院の専門医を県病院におくり、診療科を徐々に強化し、次第に診療、介護医療関係の充実をしてきた。本日の総会には、病院側からは、各診療科の責任者、担当者、若い医師、看護師、介護リハビりションおよび地域連携室の担当者の方々も参加して、地域の開業医の医師と、文面のみのレベルから、顔の見える、直接話し合いの出来る意義を確かめあい、その重要性を再認識することができた。
まず、第一部は乳がん診療の現状について、最新の知見を含めた講演があり、次いで、県病院の現状と今後の方針が紹介され、新しく体制の整いつつある各診療科の責任者と担当医の紹介、パラメヂィカルの方々の個々の紹介が和やかになされ、次いで第二部に移り、直接個人レベルで気軽に話し合い、Wの会の意義についても確かめあった。
済生会神奈川県病院の縮小により苦難の道を一時はたどったが、済生会横浜市東部病院とも協力した新たな連携方式もみえてきた。更なる企業努力が求められるが、今後の発展が期待される。
世話人一同
「第35回 病診連携Wの会」報告
(2012.4.13更新)